組み付け
■分解した手順と、逆の手順で組みつけていきますが、組み付ける際の留意点を紹介します。
<ハブとローターの接合>
■ハブとローターの接合部分は、錆びたハブ側を、ワイヤーブラシできれいにこすり落として、接合部分にグリースや潤滑スプレーを少量塗布して組み付けると、ボルト穴の位置あわせが容易になります。(錆で固着していると、位置あわせができなくなることがある)
■組み立てたあとは、次回分解するときのことを考えて、耐熱グリース(シリコングリースがいいです)をボルトナットに塗布しておくといいです。かなり高温になる部分ですから、そのまま組んでしまうと、間違いなく固着してしまうと思われます。
<ハブベアリング&ロックナットの復元>
■ハブベアリングには、少量のグリースを塗布して組みますが、沢山入れすぎると、かえって熱を持ってしまいます。シャーシーグリース・リチウムグリースなどを使用しますが、今回は、リチウムグリースにモリブデンを配合した、モリブデングリースを使用しました。
■ロックナットの締め付けトルクですが、整備書にはこのように記載があります。
ロックナット締め付けトルク ・13〜20kgfmで一度締め付けた後、フロントハブを回転させてベアリングをなじませる。その後、0キロまで緩める。再度、2.5キロまで締め付けた後、ロックナットを約30度緩める。 ・ロックワッシャーを取り付ける際、穴の位置が会わないときには、20度の範囲で緩めて穴の位置を合わせる。
SSTを使用しない場合は、整備書に記載のトルクでの管理ができませんが、実を言うと、それほど厳密に管理しなくてはならないほどのことはないようです。
要は、あまり強く締め付けすぎないこと! 締め付けが強いと、ローターの回転が重たく、ベアリングに熱を持ちます。最悪は、ベアリングのグリースが焦げて煙が出てくることもありますので、締めすぎないように注意して、一度閉めたら、30〜60度くらい戻すくらいに考えたらよいと思います。
<ハブケース&キャップの復元>
■ハブケースの蓋をしたあとは、ドライブシャフト先端のスプライン部分に、CリングとOリングを入れますが、このとき、Cリングが、ドライブシャフト先端の溝にきちんと入るように入れること。そうしないと、最悪、Cリングが走行中に外れて、ドライブシャフトのガタツキが発生します。
■ハブキャップを取り付ける際は、キャップの頭をハンマーなどで叩いてしまうと、凹むと思われます。キャップの淵の部分を、フラットポンチなどで、少しずつ均一に押し込んでいきます。
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