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ハンドルを切ると前輪付近からキィキィ異音が…

新年早々にいじったのは、お友達の、kazukazuさんのH7年式シャモニーです。

 

 

以前から、ステアリングを切ると異音が発生することがあり、かなり気になっていたようで、今まで、パワステフルードを入れ替えたり、何度か足回りの点検をしていましたが、原因が特定できず。(調べるときに限って異音が再発しないのですよ)

そうこうしているうちに、年末にかなり激しく異音が出始めたようで、クリスマスイブにHELP! どうやら、フロント運転席側のアッパー&ロアーアームの、ボールジョイントが怪しいということに。
でも、年末年始は部品の発注もお休みで、年明けの本日までに部品は手に入りませんでしたが、kazukazuさん云く「マスオさんのヴァイオリンのような激しい異音」とのことで、我慢の限界を超えていますから、応急処置を施工しました。

施工箇所は、運転席側のアッパーアームのボールジョイントを切り離して、点検後、グリースアップしてみようと。

 

私(kazuhiko)の乗っているのと同年式の平成7年式なのですが、初回マイナーチェンジの前後で、アッパーアームのボールジョイントの部品番号が違っています。初回マイナーチェンジ前の、初期型のSGであれば、わざわざ分解しなくても、グリースニップルを取り付けることで、グリースアップすることができるのですが、kazukazuさんのSGは、マイナーチェンジ後の、同年秋に発売された限定車(SGとしては初代のシャモニーです)でして、同じ手法は通じない。

ニップル取り付けのページ

 

ということで、ボールジョイントを、ナックルから切り離して、分解メンテをすることに。 

kazukazuさんのSGは、私が今まで見てきた10年超のデリカの中では、ずば抜けて下周りがきれいで、油汚れひとつないのです。
まさか、ボールジョイントのグリースがなくなっているなどとは予想もしていませんでしたが…

(作業実施時期:2007年1月)

 

 作業手順

■ジャッキアップしてタイヤを外します。

ジャッキアップ作業する前に

 

■前輪をジャッキアップするので、後輪に輪止めを掛けます。
(サイドブレーキを掛けることができるので、輪止めなしでも可)

■ジャッキアップする前に、前輪のホイールナットを緩めておきます。

■ジャッキアップしたら、タイヤを外しますが、必ず、リジットラック(ウマ)を使用します。

■念のため、外したタイヤは、車体の下に入れておくといいでしょう。

 

※今回の作業では、ブレーキキャリパーは外しませんでした。

 

前回の作業

フロントアッパーアーム ボールジョイントの分解メンテ

■前回の作業では、ショック下のボルト・ナットを外さなかったために、アッパーアームとロアアームの間を押し広げる作業に手間取りましたが、今回は、ショックアブソーバーの下側のボルト・ナットを外して抜き取ります。

■工具は17ミリ。手が届きにくい場所ですから、エクステンションなどのソケットツールを駆使します。

■堅く固着して緩まない場合もありますので、そんなときは、工具を足で蹴ったり、鉄パイプで延長したりと、工夫します。

■アッパーアームボールジョイント下側の、ロックナットの割ピンを外します。

■外した割りピンは、再使用しますので、できるだけ変形は避けたいところですが、結構、抜きづらいです。

■使用した工具は、プライヤー。

■ボールジョイント下側のナットを緩めます。

■工具は24ミリです。かなりしっかり締まっていますが、完全に外さずに、緩めるだけにしておきます。

 

※ナットを全部外してしまっても、この状態では、ナックルからボールジョイントを引く抜くことはできません。

■ボールジョイントと、ナックルを切り離します。

■ボールジョイントとナックルの接合部は、テーパー形状になっており、しっかりと固着していますので、3ポンド(約1.35kg)程度の重たいハンマーで、ナックル後方から、思いっきり殴ると、瞬間的にテーパー部分が変形して、ボールジョイントとナックルが分離されます。

※外したボールジョイントト・ブーツは再使用しますので、ボールジョイントプーラーは使用しません。プーラーを使うと、ブーツ部分を傷めてしまい、再使用できなくなります。

■アッパーアームボールジョイントと、ナックルを切り離したら、ロックナット完全に緩めて外した後、車載ジャッキを利用して、アッパーアームと、ロアアームの間を押し広げます。

■ジャッキで押し広げていくと、ナックルから、ボールジョイントが抜けてきます。

■次に、アッパーアーム上から止めてある3本のボルトを外すと、アッパーアームのボールジョイントが外れます。

■3本のボルトが緩んだら、落下しないように片手でおさえながら、ボルトを外します。

■3本すべて外れたら、ボールジョイントが取り出せます。

■ボールジョイントを取り外したら、ゴムブーツを取り外して、中の状態を点検。

■比較的新しいモリブデングリースを下から補充した痕跡はありますが、中のグリースは炭化してボロボロのグリースが少々と、ボールジョイント部分はすっかりグリース切れで、錆がひどい状態で固着しています。

■まあ、これなら、こすれてひどい音がしても不思議ではないようです。
■推測するに、購入先(中古で購入)で納車前に、きれいに下回りをスチーム洗浄されて、ブーツの下から注射筒のようなものでグリースアップされたのではないか? だけど、ボールジョイントまできちんとグリースが行き渡らなかったようで…

■灯油で古いグリースや汚れをきれいに洗い流したあとで、ボールジョイントの錆を真鍮のワイヤーブラシでこすって錆落とし。

■見てわかるくらい、錆付による段付がありましたので、間違いなく、これが異音の犯人かなと。

 

■ある程度スムーズに動くようになったところで、モリブデングリースを、入念に指でつけては押し込み、さらに動かしながらグリースを押し込み、ボールジョイントの奥まで行き渡らせます。

※使用するグリースは、リチウムグリースでもOKです。

 

■ボールジョイントにグリースを詰めたら、ブーツを被せ、ブーツバンドで固定します。

■今回は、ブーツバンドがありませんでしたので、番線で代用しました。

■分解した逆の手順で、元通り復元したら、最後にタイヤを装着して終了。

インプレッション

■タイヤ装着後に、試運転してもらいましたが、あれだけひどい異音(回りの注目を浴びてしまうほどのギーキー音)が、ぴたりとやんだではありませんか!とりあえず、交換部品が届くまでの応急処置としては、成功です。

(アッパーだけなら、新品部品を組んだほうが作業的には短時間で終わります)

 

フロントアッパーアーム ボールジョイントのグリースアップ

 

フロントアッパーアーム ボールジョイントの分解メンテ

 

 

 

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