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早期に発見できれば、ブーツ交換だけで蘇生できる

お友達のkazukazuさんのシャモニー(前期型)の、右側(運転席側)のドライブシャフトブーツ(内側)の交換をします。

 

 

4WD車に限らず、FF車など、舵取りをする前輪に駆動系がある車では、フロントのドライブシャフトブーツは、10年・10万キロを前後して、交換が必要になることがあります。

スペースギア(SG)の場合は、ホイール側にフリーホイール機構を組み込んでいないため(そのおかげで走行中でも4WDに切り替えることができるのだが)、4WD走行をしなくても、常に前輪の駆動系はまわっています。

 

特に、ブーツにダメージを受けやすいのは、ノーマル車高よりも、車高を上げている(エンジンダウンせずに)車両です。

 

ブーツが切れてしまっても、走行はできますが、ブーツの中のグリースが切れ間から周囲に飛び散ってしまい、そのまま走行を続けた場合、いずれは潤滑不良で、ドライブシャフトのジョイント部を破損してしまいます。そうなってからでは、ドライブシャフトASSYでの交換が必要になることもあり、出費がかさんでしまいますが、幸いにも、今回は、早期に発見できたため、切れたブーツを新しく交換して、グリースを詰めなおすだけで、ドライブシャフトは再使用可能です。

 

とはいえ、足回りの分解工程を伴いますから、重整備の部類に入ります。

 

<作業手順>

 

前半は、ドライブシャフトの取り外しについて

 

準備…ジャッキアップして、タイヤを外します。アンダーガードの一番奥(3枚目)を外しておきます。

ジャッキアップの注意点

(クリックするとページが開きます)

 

■最初に、ハブキャップを外して、中のCリングとOリングを外します。

ドライバーなどでこじって外すのですが、結構大変です。今回は、kazukazuさんに、事前にCRCを吹き付けて浸透させておいてもらいました。

画像にあるように、バールを使って、二人で両側から挟むようにこじって外すと、傷つけることなくきれいに外すことができました。

■ハブキャップが外れたら、中のグリースを拭き取り、CリングOリングを外します。

Cリングを外すときには、マイナスドライバーでこじって押し広げるか、スナップリングプライヤーで広げて外します。このときに、Cリングを飛ばしてしまわないように注意。

Oリングは、Cリングの内側に、ただ入っているだけなので、マイナスドライバーで引き出せば出てきます。

■次に、アッパーアームボールジョイントを切り離します。アッパーアームの、3本のボルトを外します。工具は14ミリ。

ロアアームアッパーアームの間に、車載のダルマジャッキを噛まして、押し広げていくと、ボールジョイントとアッパーアームを切り離すことができます。

■ブレーキキャリパーを外して、番線で吊っておきます。(14ミリの工具)

■車載ジャッキ1個でも作業は可能ですが、今回は、SGの車載ジャッキと、普通乗用車用のパンタジャッキの2個を使って押し広げました。(ジャッキアップ中に滑って外れやすいので注意)

◎アッパーアームから切り離された状態では、ブレーキローターは首を下に振りますが、外れることはありません。

 

※別な方法として、アッパーアームボールジョイントとナックルを切り離す方法もあります。

アッパーアームボールジョイントの切り離し

■アッパーアームからの切り離しが終わったら、次に、インナーシャフトCVジョイントを切り離します。

運転席側のドライブシャフトは、デフ側のフランジ部分で、インナーシャフトと、アウターシャフトの2本に分かれているので、アウターのみ切り離すわけです。

工具は14ミリ。フランジ部分は狭く、手もあまり入りません。めがねレンチがやっとで、ソケットツールは使用できません。

■フランジ部分が外れたら、ハブからドライブシャフトを引き抜きます。ブレーキローターを下に一杯に押し下げた状態で、ドライブシャフトも首を折り曲げて、抜くことができます。

 

後半は、ブーツ交換の手順です

■ドライブシャフトが外れたら、ブーツを外して交換します。ブーツを固定しているバンドを緩めて、ブーツをCVジョイントケースから抜きます。

◎切れてしまったブーツは、再利用しないので、作業の邪魔になる場合は、切り取って外してしまったほうが楽に作業できます。

ジョイント廻りの古いグリースをきれいにウエスで拭き取ります。

■今回交換するのは、インナーブーツ(内側)ですので、CVジョイントケースを外して、ベアリングを抜く必要があります。

CVジョイントケースの内側に、リングが入っていますので、マイナスドライバーなどでこじって外します。

リングが外れたら、ケースを引き抜くことができます。

■CVジョイントケースを引き抜いたら、ケース側、ベアリング側ともに古いグリースを拭き取ります。

ベアリングを固定しているスナップリングを外します。マイナスドライバーでこじって押し広げるか、スナップリングプライヤーで広げて外します。このときに、スナップリングを飛ばしてしまわないように注意。

■ベアリングが抜けたら、古いブーツも取り外します。再度、グリースをよく拭き取り、ベアリングのボール(球)に傷がないかどうかをよく確かめます。ボールの損傷がないことを確認して、新しいブーツを組み込みます。(ブーツを入れる前に、固定バンドを先に入れておきます。)

■今回使用したのは、社外品のブーツ。

最寄りの自動車部品商で購入しました。

インナーブーツ OHNO RUBBER INDUSTRIAL FB−2042 1229円(1個)

車検証を持って、この車のフロントドライブシャフトブーツを下さいと言えばわかります。内側と外側で部品が異なりますから、注文するときに間違えないよう。

ちなみに、純正部品の場合は、中のベアリングとグリースがセットになった、ブーツキットとして部品が出てくるので、ブーツ単体では手に入りません。ブーツキットが、4100円(04.11現在)

■ブーツを入れたら、ベアリングを入れ、スナップリングを組みつけます。次に、グリースを適量入れて、CVジョイントケースに組み付けます。

■グリースは、専用品でなくてもいいです。等速ジョイント用のグリースがありますが、中身はリチウムグリースとのことです。今回は、市販のモリブデングリースを使用しました。(リチウムグリースにモリブデンを配合したもの) ホームセンターで安く手に入るので、専用グリースよりもかなりお得。

◎ブーツを固定する前に、CVジョイントケースのリングを入れ忘れないように

ブーツバンドをラジオペンチなどで引っ張り、折り曲げて固定しますが、先端が長くて邪魔な部分は、強力ニッパーなどで切ってしまいます。

■ドライブシャフトに新しいブーツを組み込んだら、あとは元通りに復元するだけです。

復元作業を、簡単に順を追っていくと、

■ドライブシャフトのフランジ側を組む。…手が入らないので、外すときよりも苦戦します。ボルトが中に入っていかないよう注意。ボルトが引っ込んでしまうと、シャフトが回らなくなって、作業中断してしまいます。

■ドライブシャフトのホイール側をハブに入れます。

■アッパーアームボールジョイントと、アッパーアームを組みます。…ジャッキで押し広げて入れた後は、ネジ穴に、ドライバーやシノを突っ込んで位置決めしますが、ロアアームの下にジャッキをかけて、少し持ち上げてやりながら、うまく位置合わせをします。

■ブレーキキャリパーを組みます。…このとき、スライドピンに汚れが付着していたら、ウエスできれいに拭き取り、ラバー用にシリコングリースを塗布しておく。スライドピンの滑りが悪くなると、ブレーキの引きずりなどを引き起こします。

※ブレーキパッドを外してしまった場合は、ピストンを少し戻さないと、うまく入らないこともあります。ピストン戻しを行って作業した場合は、必ず、走行前にブレーキを数回空踏みして、ブレーキペダルが硬くなることを確認してください。

■ブレーキローターにグリース汚れなどが付着していると大変危険ですから、パーツクリーナーなどできれいに洗浄しておきます。

■ハブのCリングとOリングを入れます。入れるときにも押し広げますが、誤って飛ばしてしまわないよう注意。

少量のグリースを塗布し、ハブキャップを締めます。はめ込んであるだけですが、ハンマーなどでいきなり叩くと潰れてしまいます。周囲を均等に押し込んで、傷つかないようにはめていきます。

■タイヤを装着して、終了。

 

 

 

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